「アスPの部屋」飲食入門編
ドラマブログ「キラ✦ハン」の当週内容を飲食プロデューサー「アステ」が、より詳しく掘り下げて解説。自称「伝説の飲食プロデューサー」が語る、繁盛店を作り育てるコツや業界の色々な裏話などを紹介します。
ありがとうございます。宜しくお願いします!
しかし、今週は読者様もビックリのサプライズがたくさんありましたね…
ええ、驚きましたね。
まさかシュン君がリカちゃんのことを想っていたなんて…
しかも、その告白を断るリカちゃん…
「恋も事業もタイミングが合わなければすれ違う」ということです。
なるほど。今週は、冒頭から名言が出ましたね‼
まあ、本編の恋のお話はここまでということで、
今回の「アスPの部屋」はどういったテーマでしょうか?
今回はお店の「販促物」などについてです。
販促物というと、「チラシ」とか「ショップカード」みたいな物ですか?
そうですね。 しかし、それだけではありません。
販促物とは読んで字の如く「販売を促進する物」を指しますので、
例えば、お客様に提示する「メニュー」や、店舗のロゴを入れた「コースター、包材、コーヒーカップ」などもそうです。
それと大きな意味で範囲を広げて言えば、スタッフさんの「ユニフォーム」や「店内の内装、外の看板」なども販促物と捉えることも出来ます。
へえ、それは確かに範囲が広いですね。
私のイメージでは、それらはいわゆる「デザイナーさん」が手掛ける様なイメージですが、
実際にプロの方に依頼すると結構な費用がかかる気がするし、どこに頼めばいいのか分かりにくいような気がしますが…
そうですね。 実際に私のクライアントさんなどでも「オレはそういうのはよく分からないから…」とか、「ちょっとパソコンが出来る知り合いにロゴを作ってもらった」とおっしゃる方も多いですね。。
私もそんなイメージです。
美味しい料理や盛り付けなどにはこだわっていても、ロゴや内装とかユニフォームは「なんでもいいや…」と考えていらっしゃるオーナーさんは多いと思います。
やはりデザインは重要なのでしょうか?
「必須」とまでは言いませんが、お店や事業を左右する大きな要素であることは確かです。
では、飲食業界に疎い私にも分かる様に、アスPさん恒例の「分かりやすい例え話」をよろしくお願いします。
承知しました。
では、以前肉フェスに出かけた時の3人の服装を例に挙げましょう。
仮にリポさんがこの3人を知らなかったとして、初対面の見た目だけで受ける印象から「どんな人だろう?」と想像してみてください。
わかりました! 私、こう見えても趣味は「人間観察」なので、服装から性格を読むのは得意なんですよ。
みなさんを知る前の気持ちになり切って…
まずリカちゃんは、薄いピンクのカーディガンにチェックのスカートも淡い色の組み合わせで可愛らしい印象なので、若くて女の子らしい服装ですね。
でも、バッグと靴が鮮やかな赤色なので、性格は「活発そうで行動派」なのかな?と。
なるほど、良いですね。ではシェフさんは。
え~、シェフさんは、ゆったり目で濃いめの緑のプロオーバーのパーカーにベージュのパンツ。ベーシックでカジュアルな服装だし…
人からどう見られたいかを意識しているというよりは、「自分が着たい物を着る」という人柄かな。
ほう、それは面白い。では、最後に私です。
アスPさんは、グレーのセットアップスーツで革靴という大人な服装なのに…
ベストにピンクを入れたりネクタイはネイビーだったりで、オシャレで知的なビジネスマンというイメージです。
素晴らしい‼ 合格です‼
あっ、あと「ナルシシスト」ですね。 間違いなく‼
………
冗談ですよ‼ ( ´艸`)
この分析で何が分かるのですか⁉
そうでした…
ではまとめると、
最終的にリポさんが3人に感じた印象は…
リカさんは、女の子らしい「若くて活発」な女性。
シェフさんは、人の意見よりも「自分の好きなこと」を貫く人。
私は、オシャレで「知的な大人」を感じるビジネスマン。
はい‼
この結果は、すでに3人の性格や人柄が、ある程度伝わっていると思いませんか?
ホントだ‼
この様に、人が初対面の相手の見た目から受ける印象というのは、あながち間違っていないことが多いと言えます。
そうですねー。
これをお店の看板や内装などに例えるなら、
看板の色使いやロゴマーク、店内に入った時の雰囲気などの印象で、
お客様は「こんな店かな?」というイメージを無意識に受けている可能性が高いのです。
それは分かりやすい‼
ということは、
例えばかわいいロゴマークだったら「若い女性に集まって欲しい」とか、
内装が落ち着いた雰囲気だったら「ゆっくりして欲しい」とか、
お店からのメッセージとも取れますよね。
そうです。
更に言えば、
お店の店長さんがスーツで他のスタッフさんの制服もきちっとしてれば「高級店なのかな?」と見えるでしょうし、
コックさんがかわいいエプロンを着けていれば「カジュアル店だな」と思われるでしょう。
うん、うん、
メニュー表で例えるならば、
ホテルや星付きレストランであれば固めのフォントを使った活字のみが大半で、
外国の方が来る機会も多いので英語表記などが入っていたりします。
一方で、
ファミリーレストランなど客層が広くて大衆的なお店では、大きな写真入りで料理をビジュアルで見せるお店が多いですし、
居酒屋チェーンなどではカジュアルで派手な文字やデザインを使用しています。
そうなると…
お客様の目に入る「販促物」は、お店が伝えたいことや伝えたい人などに沿っているべきだということですね?
はい。
飲食店における主役であり絶対に外せない要素はあくまでも料理なのですが、
その他の販促物が、その主役である料理やお店の印象に大きく影響を与えることもあるのです。
そうですねー。
そして、お店を繁盛させた方の中には、
「飲食店は演劇のステージだ!」とおっしゃる名経営者さんもいます。
「演劇のステージ」…⁉
例えば、レストランを演劇などの舞台に例えれば、
主役が「料理」
脇役は「スタッフ」
大道具やセットは「内装」
どんな時代のどんな話なのかによって、俳優(スタッフ)の喋り口調や衣装(ユニフォーム)、セット(内装)などは自ずと決まります。
なるほど‼
では、例えばユニフォームを適当に選んでいる様なお店は、
「戦国の時代劇なのに俳優さんが洋服を着て舞台に立っている」みたいな状態ということですか?
そういうことです!
演劇や映画などの世界で「名作」と言われる作品も必ず、色々な要素について細部までこだわって作り込んでいます。
なるほど‼
少し脱線しますが、サービススタッフさんの人事や教育なども同じです。
フロアで接客する人のことですね?
配役=スタッフさんの採用と役割配置。
演技指導=接客指導。
衣装=ユニフォーム。
そして、オーナーやマネージャーは「監督や助監督」にあたるのです。
配役、演技、衣装
これらを無視して演劇などを作ることは出来ません。
ふむふむ、
スタッフさん一人一人に適した配役(役割)を与え、
お客様に伝えたい演技(接客)を指導し、
俳優さんが役に入りやすい衣装(ユニフォーム)とセット(内装)を用意する。
それが、監督(経営者)の仕事なのです。
「飲食店は舞台だ!」
今週は名言を2つもいただきましたね‼
来週も楽しみにしています!
「「キラ✦ハン」第11話へ続く・・【12/21(月)夕方くらいに配信予定】
アスPさん九州出張お疲れ様でした。おかえりなさい♪
今週も宜しくお願いします!